仙台市政だより 2018年11月号
2018.11.01 宮城県仙台市
平成29年度決算が市議会で認定されました。決算は、1年間の市の収入や支出の実績をまとめたものです。
市の会計は、一般会計・特別会計・企業会計の3種類に分かれていますが、ここでは、市の基本的な行政サービスに関わる一般会計の決算についてお知らせします。
■歳入(収入)
市税収入が増加したことに加え、県費負担教職員権限移譲※に伴う給与等の財源として、新たに県民税所得割臨時交付金が県から交付されたことなどにより、収入総額は平成28年度から328億円増加し、5,214億円となりました。
※地域の実情に応じた学校教育を実現するため、市立小・中学校の教職員に関する給与、学級編成基準の決定等の権限や財源を、平成29年4月1日に宮城県から仙台市に移譲したこと。財源は、国庫支出金、県民税所得割臨時交付金等で措置
単位:億円( )内は平成28年度の金額
■歳出(支出)
県費負担教職員権限移譲に伴う給与等(教育費)や保育施設に対する給付等(健康福祉費)が増加したことなどにより、支出総額は平成28年度から314億円増加し、5,078億円となりました。
■市債(借入金)の残高
一般会計の市債残高は、平成28年度から63億円増加しました。これは主に、臨時財政対策債※の残高が増加したことによるものです。一方、それ以外の市債残高については、行財政改革の効果などにより着実に減少しています。※臨時財政対策債…本来、国が交付すべき地方交付税の不足分を補うために発行する市債であり、後年度、返済のための財源が国から手当てされます
図1 市債残高の推移
市債は主に、道路や学校など長い期間にわたって利用される施設等の建設費用に充てられます。市債を発行することで、施設等を利用する将来の世代の市民にも費用を負担していただき、世代間の公平性を確保します。
■健全化判断比率と経常収支比率から見る財政状況 地方自治体の「赤字」や「将来負担」などを把握し、健全化へ向けた取り組みが必要かを判断するための指標として「健全化判断比率」(表1)があります。これは、4つの財政指標で構成されています。
表1 健全化判断比率
平成29年度決算に基づく本市の健全化判断比率は、いずれも国の定める早期健全化基準を下回っています。
一方、財政の硬直度を示す指標として「経常収支比率」があります。これは、市税など毎年の経常的な収入である一般財源が、人件費や扶助費など毎年固定的に支出される経常経費にどの程度充当されているかを表しています。その比率が高いほど政策的な経費に回す財源が少なくなり、財政構造の弾力性が低いということになります。
平成29年度決算に基づく本市の経常収支比率は98・5パーセントと、前年度より低下したものの引き続き高い水準にあり、本市の財政が予断を許さない状況にあることを示しています。