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仙台市政だより 2018年8月号

特集2:最新技術で進める エネルギー自律型まちづくり

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宮城県仙台市 クリエイティブ・コモンズ

東日本大震災の経験から、非常時におけるエネルギーの確保や、特定のエネルギー源に過度に依存しないまちづくりを進めています。ここでは、民間事業者や大学等と連携した2つの取り組みを紹介します。
◇仮想発電所技術で避難所の発電システムを効率化
市では、災害への備えとして、指定避難所である小・中学校等、市内196カ所に防災対応型太陽光発電システムを設置しています。
このシステムは、太陽光発電と蓄電池を組み合わせたもの。発電した電気は災害に備えて必要分を蓄電し、残りは施設内で利用しています。しかし、時間帯によっては余剰電力が発生。各避難所でシステムを個別に監視しなければならないことも課題となっています。
このため、4月から東北電力(株)と連携し、最新技術である仮想発電所技術を活用した実証試験を開始。3年間で効果を検証します。
仮想発電所技術とは、各施設の蓄電池等を情報通信ネットワークでつなぎ、一括制御することで、まるで一つの発電所のように機能させる技術。蓄電池の蓄電量をきめ細かくコントロールできるようになり、避難所で必要となる分を確保しつつ、施設で電力を有効利用します。また、夏場など、社会全体で電気が不足するときは、蓄電池から電気を送配電網に送り、電気の安定供給に貢献。災害等が予想されるときは、普段より多くの電気をためて避難所開設に備えることができるなど、防災面・環境面でさまざまなメリットが得られるようになります(図参照)。

◇藻類バイオマスエネルギーの実用化に向けた研究
藻類(そうるい)バイオマスエネルギーとは、藻(も)などが作り出すオイル等から得られる次世代のエネルギーのこと。市では、実用化に向けた研究を東北大学・筑波大学・みやぎ生活協同組合・(株)ヤンマー・パナック(株)と共同で行っています。 南蒲生浄化センターで下水を活用して藻類を培養し、最新の技術でオイル等を抽出。今後、発電用エンジンの燃料や、農業資材への活用等を目指します。

◇エネルギーの未来を見据えて
市では、災害に強いまちを目指し、次世代エネルギーの研究開発を推進しています。防災環境都市・仙台の実現に向け、エネルギー供給の防災性を高め、環境配慮の視点を取り入れたエネルギー自律型のまちづくりを進めていきます。

◆災害に強く、環境にやさしい電力供給を目指します
今回の仮想発電所のプロジェクトの特徴は、防災対応型太陽光発電システムが、より災害に強く、環境にもやさしく運用できるようになるということです。 例えば、情報通信ネットワークで常に監視することにより、故障や不具合を直ちに発見し、修理することができます。また、劣化が進む満充電を避け、最適な充電量を保つことで蓄電池の長寿命化が可能となります。
東日本大震災の停電後に電気が灯ともったときの歓喜の声は、今も忘れられません。どんなときでも電気を安定的にお届けするため、防災力の向上はもちろん、環境にも配慮した電力供給を目指し、仙台市とともに取り組んでまいります。
東北電力(株)企画部・副長/瀬戸 寿之(としゆき)さん

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