ユーザー登録
文字サイズ

仙台市政だより 2019年10月号

3.11 震災文庫を読む 24

6/51

宮城県仙台市 クリエイティブ・コモンズ

東日本大震災を語り継ぐため市民図書館に設けた「3・11震災文庫」。所蔵する約1万冊から、よりすぐりの本をご紹介します。

■心のよりどころを求めて
仙台郷土研究会・郷土史家 木村 紀夫

■「貞山堀に風そよぐ―仙台・荒浜蒲生新浜井土再訪」
大和田雅人/著河北新報出版センター刊
400年も海沿いに暮らしてきた人々が、突然、先祖伝来の土地を離れることになった。
貞山堀沿いの住民は、江戸時代から独自の風習と信仰や契約講(※)などで助け合い、情にあふれた文化と暮らしを築いてきた。
筆者はその生活と風習を丹念に取材して、震災と復興、さらに豊かな歴史を伝えています。古里の香りと四季の風など、懐かしい風景がよみがえってきました。ここに戻りたいと願う人々や、浜の賑にぎわいを取り戻そうと励む若い人達の姿も見えます。
全体に優しい視線と、郷土にかける愛情の深さを感じるとともに、復興の在り方と地域の歴史文化など、心の復興の大切さを問うている、感動の一冊です。

■「震災の記憶―宮城県内神社の被害の実態と神社庁の対応」
宮城県神社庁刊
県内の神社も大きな被害を被った。本殿の全壊・流失は53社、被害数は689社に上る。その実態と対応を記した書です。
あの時、気仙沼の古谷館(こやだて)八幡神社の境内には、200人もの人たちが丘陵を駆け上がって、一命を取り留めた。うち60人が神社を避難所として、10日間の生活を送っていました。
災害から命を守るのが砦(とりで)の役割なら、助かった命を明日につなぐことが避難所の役割だったと、宮司・熊谷正之氏は語っています。
震災で被害者同士が助け合い、立ち上がっていく、人の強さと絆の不思議さが伝わってくる。近くの社寺を目にすると、心の安らぎを覚えてきます。
※東北地方などに分布する村落組織の一種

紹介した本は、市民図書館でご覧いただけます

問合せ:市民図書館
【電話】261・1585

〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町2-21-11 山竹ビル
協力 仙台市 〒980-8671 仙台市青葉区国分町三丁目7番1号