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仙台市政だより 2019年11月号

政令指定都市・区制移行30周年 つなぐ。仙台

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宮城県仙台市 クリエイティブ・コモンズ

■今月のテーマ「防災・減災と震災経験の伝承・発信」
政令指定都市・区制移行30周年に当たり、さまざまなテーマに沿って、これまでを振り返り、これからを展望していきます。

■これまで防災・減災と震災経験の伝承・発信の取り組み
昭和53年に発生した宮城県沖地震。仙台市では翌年全国に先駆けて「防災都市宣言」を行うとともに、発災日を「市民防災の日」と定め、総合防災訓練の実施などに取り組んできました。
平成23年に東日本大震災が発生し、本市は甚大な被害を受けました。防災環境都市づくりを目指し、「より良い復興」に向け、南蒲生浄化センターの復旧や住宅の耐震化向上の支援などを推進。被災した東部地域の再生とより強靱(きょうじん)な地域づくりに向け、津波避難施設の整備や海岸公園の再整備などを行いました。平成24年には地域防災力向上を図るため、仙台市地域防災リーダーの養成を開始。また子どもたちが自ら考え行動する力を身に付けることを目指して、副読本を作成するなど、防災教育を推進。防災意識の高い人材の育成に取り組んでいます。平成27年には第3回国連防災世界会議が仙台で開催され、国際的な防災の取り組み指針「仙台防災枠組」が採択されました。平成28年には「せんだい3・11メモリアル交流館」を開館し、翌年には荒浜小学校を震災遺構として公開。市中心部におけるメモリアル拠点の整備の検討を行うなど、震災の記憶や経験を未来につなぐ取り組みも進めています。
今後も、震災の経験と教訓を継承・発信し、災害への対応力強化に向けた防災・減災の取り組みを進めていきます。

■インタビュー震災の記憶や教訓を伝承し、教員の防災力向上を目指す
宮城教育大学では東日本大震災後、被災地域の小・中学校などに大学生を派遣し、学習支援を続けています。また、時がたつにつれて被災地の様子も変化する中で、震災学習・震災伝承を通じた防災教育にも力を入れています。在学生の多くが学校教員を志していますので、自分が教員になったときに、どうすれば子どもの命を守れるかを考え、また、受け持つ子どもに対して、災害に直面したときに生き抜く力を育てられるよう、防災について高いリテラシー(知識活用力)を備えた教師の育成を目指しています。
震災・防災学習の場の一つが「震災遺構仙台市立荒浜小学校」。この施設は、自然災害の脅威や実情を伝えると同時に、地元の方にとっては追悼と追憶の場所でもあります。見学に行くからには、深い学びにつなげる工夫が必要です。そこで宮城教育大学の教職大学院では、震災遺構における学びの手引書を作成。教員と学生が、荒浜小の当時の教員や遺構の現地スタッフ、実際に荒浜小遺構で課外学習を行う学校との意見交換なども重ねながら、震災遺構訪問を見据えた授業プランの例を冊子にまとめました。
さらに教員を目指す学生や現職教員の防災力向上を目的に、今年4月に防災教育研修機構「311いのちを守る教育研修機構」を立ち上げ、8月には仙台市・仙台市教育委員会・本学で防災教育の推進に関する三者協定を締結。震災伝承施設や語り部の方、防災教育に力を入れている学校などと連携して、震災・防災学習の在り方を見出す活動を進めていきます。今後、教員の世代交代が進むと、震災の記憶がない教員も教壇に立つことになります。そのためにも、震災経験の伝承・発信を続けていくことが重要です。
こうして教員の防災リテラシーの底上げを図り、指導力をもった教員を養成していくことは、子どもたちや保護者の防災意識の向上にもつながります。また防災教育を通じて、命の大切さや自然との関わり方を学んでもらうことも、学校教育の役割だと考えています。

■宮城教育大学防災教育研修機構 副機構長・准教授 小田隆史さん
プロフィール:専門は地理学。国内外の大学等での勤務を経て、復興支援や防災研究、人材の育成に従事。海外の学校関係者に向けた震災教訓の発信、国際協力にも取り組む

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