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仙台市政だより 2019年3月号

3.11 震災文庫を読む 18

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宮城県仙台市 クリエイティブ・コモンズ

東日本大震災を語り継ぐため市民図書館に設けた「3・11震災文庫」。所蔵する約1万冊から、よりすぐりの本をご紹介します。

聴きながら、でも動きだす
せんだいメディアテーク館長鷲田清一

■「コミュニティ・アーカイブをつくろう!」
佐藤知久・甲斐賢治・北野央/著晶文社 刊
震災後すぐに、せんだいメディアテークのスタッフは、震災と復興を映像で記録する市民の活動を応援しようと、《3がつ11にちをわすれないためにセンター》を立ち上げました。将来の世代が思いがけない困難に直面したときに、官製の、あるいは報道機関による公式の記録とはちがう次元で、こんな苦労や戸惑い、そしてこんな取り組みがあったんですよと伝えるために、です。これは、IT環境に流されるのではなく、デジタルカメラやスマホを鉛筆のように使える、そんな市民としての地力を育むためでありました。これは「おまかせ」から「ひきうけ」への市民の活動の転回をしるす出来事でもありました。

■「あわいゆくころ|陸前高田、震災後を生きる」
瀬尾夏美/著晶文社 刊
東京藝大の卒業式直前に大震災の報にふれたアーティストの卵は、三陸海岸から仙台へと救援の旅を続けました。やがて陸前高田に移住しその住民となって、ひたすら被災地の声を聴きき、映像と言葉の記録に残しました。数年を経て、ためらいながらもおずおずと表現を再開しました。それまでの長い過程がここに記されています。底知れない悲しみと、被災地の人たちから授かった途方もない温み。体の芯にまで響く記録です。じいちゃん、ばあちゃんの声を引き出すのが根っから得意。ゼロからじりじり復旧してゆく過程で、もしアートに何の出番もないなら、アートはもう見限っていいとの覚悟を、私はそこに見ました。

※紹介した本は、市民図書館でご覧いただけます

問合せ:市民図書館
【電話】261・1585

〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町2-21-11 山竹ビル
協力 仙台市 〒980-8671 仙台市青葉区国分町三丁目7番1号