ユーザー登録
文字サイズ

仙台市政だより 2020年1月号

特集1 新春市長座談会―仙台の未来を創る若い力2

3/46

宮城県仙台市 クリエイティブ・コモンズ

■仙台から挑戦すること
市長:岡﨑さんは関東でも事業展開されていますが、仙台を拠点にしているのには理由があるのですか。
岡﨑:仕事の量でいえば関東の方が多いのですが、生まれ育った仙台が一番過ごしやすいので、仙台に本社を置いて自分の理想とする企業をつくりたいと思っています。今、若い人が関東に出て行って、厳しい環境の中で実力をつけています。仙台でも若い人が競い合い、研さんを積めるような環境にしたいですね。
市長:菅野さん、桃生さんはどうですか。仙台で活動を続ける意味など聞かせていただければ。
菅野:仙台には長い間住んでいるのでとても愛着があって、仙台と名の付く工芸品に出会い、仕事としていることに誇りを持っています。地元の人たちの感性で受け継がれてきた工芸品を、地元に根付いた人間が作ることで伝わる、説得力のようなものがあると信じています。今後もこの地域で仙台箪笥を作り続けていたいと思っています。
桃生:私は、生まれが仙台、育ちが福島、大学が岩手です。この3県が、東日本大震災で特に大きな被害を受けたことが大きいですね。大災害を経て、価値観が変わった仙台・東北だからこそ、東京にはない新しいもの・ことが生み出せるのではないでしょうか。中でも仙台は、東北各地をつなぐ結節点の役割を持っていますし、分母も大きいので、いろいろな掛け算ができると思います。私自身もジャンルにこだわらず、もっと横断的に「つなぐ」という役割を極めていきたいです。
市長:人とのつながりは、生きていく上でも社会活動をしていく上でもとても大切なことです。行政としてもそれぞれの経験や考えを掛け合わすことで、相乗効果を生み出せるまちづくりをしていかなくてはなりません。佐藤さんは、仙台出身ではありませんが、今の活動を支えている思いなど何かありますか。
佐藤:私は自分の住む地域を大事にしたいという思いで活動しています。同時に、防災関連の会社で働いたり、新しい制度や防災対策などを勉強したりしながら、最新の情報と地域の特性を押さえつつ、防災対策が地域の中で当たり前になるようにと思って活動しています。
菅野:仙台・東北で活動し続けるためにも、自分たちがやっていることを知ってもらえる場が欲しいです。東北の玄関口として、東北全体を知ることができて、地域に根付く工芸や文化も見て学べる、工芸館のような場が仙台にあれば、職人の思いも伝わりやすいと思うのですが。
岡﨑:伝統工芸を知ってもらうきっかけとして、THE6みたいなスペースに職人が集まって伝統工芸を紹介する、ものづくりを体験するような場はどうでしょうか。
市長:なるほど!興味深いですね。
佐藤:私のように転勤や結婚で仙台に来ると、地元のことを学ぶ機会はなかなかないので、そういう場があったらうれしいです。
桃生:関西では中心部でも若い人が比較的安い家賃でお店などを始められますが、仙台ではそれが難しい。空間や車などをシェアすることも増えていますし、都市部の空きスペースの有効活用や古い建物のリノベーションなど、発想の転換も必要かなと思います。
岡﨑:行政に頼りきりにならず、民間が自身の力を発揮することも大事ですね。
佐藤:行政が企業や市民をつなぐという視点の支援があってもいいのかなと思います。さまざまな自治体に住んできましたが、仙台はやりたい、何とかしたいという思いを持った方が多いですね。市民がやりたいと思うことを行政が一緒に考えてくれたら、一層魅力的なまちになるのではないかと思います。
市長:行政としても直接現場に出向いて、市民の皆さんの活動を知ることが重要だと思っています。課題解決に向けて、柔軟に対応していくことも大切な視点ですね。

■挑戦を応援するまちに
市長:市では、これからも人が輝くまちづくりをしたいと考えていますが、今後のご自身や仙台のまちの展望を聞かせてください。
岡﨑:おおむね5年以内に株式上場を目指す「仙台未来創造企業」として仙台市さんに選んでいただいているので、上場を実現したいです。個人的にはベンチャー支援などもやれれば。若い人が仙台に残ろうと思えるように、市内に本社を置く企業の活躍を後押しするような支援がますます広がればと思います。
桃生:テクノロジーは今後、劇的に変わると思いますし、未来の予測がつきにくい時代なので、的確に決断できる力と何事にも対応できる柔軟性を身に付けたいですね。まちづくりについては、行政は頼られる存在であると同時に、民間に委ねられるところは任せていただければ。
菅野:私は自分の子どもたちが将来を考えるときに、その選択肢の一つに仙台箪笥の職人という仕事が残っていてほしいと思っています。そのためにもいずれは独立して、自分の力でものを作っていきたいです。
佐藤:ネットワークを全国に広げ、協力し合う関係を築いていきたいです。それから、マンションや企業で防災対策をしっかりとしていることが社会の中で付加価値として認められるように、防災の重要性の理解が進むような活動をしていきたいと思います。
市長:最後に、これからチャレンジしようとする若い人たちへメッセージをいただけますか。
佐藤:何でもやってみたらいいと思います。私も自分から講座をやろうと思って始めたわけではありませんが、意外に面白かったり、人とのつながりが楽しかったりで続いています。何一つ無駄なことはないので、挑戦してほしいです。
菅野:出会ったものを否定せずに一回首を突っ込んでみようという意気込みで、チャレンジすることが大切だと思います。もっと仙台箪笥を知ってもらいたいです!
岡﨑:何かやりたいと思ったときに、仙台は相談できる場もたくさんありますし、困ることはないと思います。自分の気持ちに正直に、やろうと思ったら進むことですね。
桃生:今はホームページやSNSなど、手軽な手段がたくさんあって、チャレンジするためのコストやハードルが低くなってきています。また、自分がやりたいことを仕事にできる方法もこれからもっと出てくると思います。ためらわず新しいことにどんどん取り組んでほしいですね。「自分の心に正直であれ」という感じです。
市長:これからのまちづくりのヒントにもなるお話をたくさんいただきました。皆さんの今後のますますのご活躍を期待しています。ありがとうございました。

〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町2-21-11 山竹ビル
協力 仙台市 〒980-8671 仙台市青葉区国分町三丁目7番1号