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仙台市政だより 2020年3月号

政令指定都市・区制移行30周年 つなぐ。仙台

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宮城県仙台市 クリエイティブ・コモンズ

■今月のテーマ「これからの仙台」
仙台市の30年をたどってきた本企画は、今回が最終回。現在策定中の新総合計画を審議する仙台市総合計画審議会の奥村誠会長に、これまでのまちづくりを踏まえた仙台の未来像についてお話を伺いました。

Q.今後のまちづくりの展望や目標は?
A.仙台市が政令指定都市に移行したばかりの30年前ごろは、他の都市の「標準」や成功事例を追いかけることが意味を持っていました。しかし今は情報技術の進化や環境の変化が目まぐるしいため、先を見通すことが難しく、標準や前例を着実に実現しようという計画は限界を迎えています。将来像が見えにくい時代には「やらなければならないことより、やりたいこと」を重視するのも一つの考え方です。
杜の都・仙台には、伊達政宗公以来の歴史や文化、そして緑豊かな美しい街並みがあります。また、環境保全に向けた市民活動や防災環境都市としての取り組みなども盛んです。そうした魅力あふれる都市だからこそ、現状の欠点や不満の解決に重きを置くよりも、積極的に強みや個性を伸ばし、将来の対応力を育てていくことが、これからの仙台には必要だと感じます。

Q.仙台ならではのまちづくりとは?
A.現在審議会では、仙台が目指す「新しい杜の都」の姿として「The Greenest City(ザ グリネスト シティー)」という概念を打ち出そうと議論を進めています。“Greenest”とは、“Green(みどり)”の最上級。世界と比較しても最高ランクである“Greenest”をまちづくりの理念に掲げ、仙台市の4つの都市個性を生かしたまちづくりを進めていきます。
まず1つ目が「環境」。歴史とともに育んできた豊かな自然環境を守り、その中で安心できる暮らしの実現を目標とします。また2つ目として、あらゆる価値観を尊重し合いながら「共生」できるまちに。さらに3つ目が、誰もが新しいことにチャレンジできる「学び」の機会の充実。そして4つ目に、仙台・東北と世界を結ぶ「活力」のある都市を目指します。
このようなまちを、市民の皆さんと一緒に実現したい。東北の中枢都市・仙台には、多様な経験や技術をもった人が集まっていますので、さまざまな力を掛け合わせてまちづくりを進めていくことが理想です。

Q.より良い仙台に向けて、市民にできることは?
A.30年前と比べると、それぞれの地域で抱える課題が多様化して「この政策さえ実行すれば、市民全員が納得する」ということは無くなりました。行政と市民が「自分たちの地域をどうしていきたいか」を共に考え、できることを出し合う「協働」を進めなければなりません。
そうして多くの人が地域活動に関わっていくと、できることが増える一方で失敗も増えるかもしれません。そこで大切にしたいのが、失敗を責めるのではなく、次に生かしていく姿勢。トライandエラーならぬ「エラーandリトライ」によって、人やまちが成長し、地域活性化や新しい創造にもつながっていくのだと思います。
全国的に見ても仙台は若者の人口が多く、他の都市ではできないことを実現しやすいまちでもあります。トライアルしやすい環境こそ、新しい時代の都市に求められる力です。東北を、ひいては日本や世界を支えることができる仙台へと、発展させていきましょう。

東北大学災害科学国際研究所 教授
奥村誠さん
プロフィール:
東北大学災害科学国際研究所人間・社会対応研究部門、被災地支援研究分野担当。大学院工学研究科土木工学専攻、東北アジア研究センター兼任。都市計画や土木計画学を専門とし、仙台市の新たな基本計画の審議を行う仙台市総合計画審議会の会長を務める

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