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仙台市政だより 2020年3月号

3.11 震災文庫を読む 28

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宮城県仙台市 クリエイティブ・コモンズ

東日本大震災を語り継ぐため市民図書館に設けた「3・11震災文庫」。所蔵する約1万冊から、よりすぐりの本をご紹介します。

■方言は心をつなぐ
宮城教育大学教育学部准教授 津田 智史

◇「方言を伝える 3・11 東日本大震災被災地における取り組み」
大野眞男・小林隆/編
ひつじ書房 刊

東日本大震災から、もうすぐ丸9年が経(た)とうとしています。物理的なものの復興は進んでいますが、心の復興についてはどうでしょうか。
本書は、生活語としての方言に注目し、方言を通した心の復興を訴えるものです。文化庁の委託を受けた実践活動が紹介されており、その先には文化としての方言の継承の願いが込められています。ことばは時代や環境とともに変化していくものですが、生まれ育った土地のことばが与えてくれる懐かしさや安心感は、心のふるさとと呼べるものではないでしょうか。今後、心の復興が進んでいくことを願うばかりです。

◇「負げねっちゃ 大震災五七五の句集」
方言を語り残そう会/編
銀の鈴社 刊

名取市の「方言を語り残そう会」は、大震災以前から方言を後世に語り残すことを目的として活動しています。本書は、大震災に際しての率直な気持ちを句に込めて編まれたものです。名取市の方言を使い、大震災へのさまざまな思いが綴(つづ)られています。読み手の「生」の声が聞こえてくるようで、本書を読むと自然と目頭が熱くなります。標準語をフィクションだとすると、方言はまさにドキュメンタリーです。
方言でしか伝わらない感覚があります。方言でしか伝えられない感情があります。本書は、そんなことに気付かせてくれる一冊です。

▽紹介した本は、市民図書館でご覧いただけます

問合せ:市民図書館
【電話】261・1585

〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町2-21-11 山竹ビル
協力 仙台市 〒980-8671 仙台市青葉区国分町三丁目7番1号